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公開:2026.01.30 最終更新:2026.02.03

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半構造化面接とは|質問例・深堀りのポイントを徹底解説

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「優秀そうな人を採ったのに、入社後に活躍しない」「面接官によって評価がバラバラ」──そんな課題を抱える企業が増えています。近年注目されているのが、半構造化面接という手法です。評価基準や質問を整理しながら、候補者の個性や思考を柔軟に引き出します。

本記事では、
・半構造化面接の定義やメリット・デメリット
・「STAR+T2」モデルの質問設計法
・実際の質問例と導入時の注意点
を、専門的すぎず、現場で使えるレベルでわかりやすく解説します。

「面接の精度を高めたい」「属人的な採用から脱却したい」と考える方は、ぜひ参考にしてみてください。

半構造化面接とは

半構造化面接の定義

半構造化面接とは、面接においてあらかじめ評価基準や質問内容を一定程度構造化(=整理・共通化)した上で、面接官がその場の受け答えに応じて柔軟に質問を深掘りしていく手法を指します。

面接の構造化とは、マニュアル化であり、「どんな要素を確認するために、どんな質問をして、どう評価するか」を明確にすることです。完全にマニュアル化された「構造化面接」と、自由に会話する「非構造化面接」の中間に位置し、「質問の一貫性」と「自由な掘り下げ」の両立ができる点が特徴です。

構造化面接、非構造化面接との違い

面接の種類質問内容柔軟性主な特徴
構造化面接全員同じ質問低い見極めの精度は高いが、会話は硬くなりがち
非構造化面接面接官の裁量で質問高い会話は自然だが、主観に左右されやすい
半構造化面接基本質問は共通、深堀りはある程度面接官の裁量で質問中程度見極めの精度と柔軟性の両立

たとえば、全員に「困難な状況をどう乗り越えたか」という質問を共通で行いながら、回答の中で見えた価値観や行動パターンをもとに、さらに個別の質問を投げかける。これが半構造化面接の典型的な進め方です。

半構造化面接のメリット

面接官の属人化を解消し、「評価のばらつき」を防ぐ

非構造化面接(フリートーク)では、面接官の好みやその場の雰囲気に流されやすく、評価基準が曖昧になりがちです。 半構造化面接では、事前に「聞くべき必須質問」と「評価基準」を設計するため、誰が面接を担当しても一定の質を担保でき、面接官ごとの評価のばらつきを抑えることができます。

「表面的な模範解答」を見抜き、採用ミスマッチを防ぐ

完全な構造化面接では、候補者が用意してきた回答を聞くだけで終わってしまいがちです。それでは、チームの成果を自分の手柄のように話すフリーライダーは見抜けません。一方、半構造化面接は、回答に対して柔軟に「深掘り(なぜ?具体的には?他には?)」を行うことで、自ら考え、行動したことを聞き出すことが可能なため、結果として入社後のミスマッチを防ぐことができます。

候補者の「不完全燃焼」による辞退を防ぎ、志望度を高める

完全な構造化面接では「機械的で冷たい」と感じさせ、候補者に「自分の良さを伝えきれなかった」という不満(不完全燃焼感)を残すリスクがあります。 半構造化面接は、会話の流れを大切にするため、候補者は「話をしっかり聞いてもらえた」という納得感を持ちやすく、結果として企業への魅力度向上につながります。

半構造化面接のデメリット

準備や設計に時間と工数がかかる

半構造化面接は、「構造化」が前提となるため、質問設計や評価項目の定義に一定の時間が必要です。「どんな資質を見たいのか」「何を成功とみなすのか」が整理できていないと、せっかく構造化しても形骸化します。そのため、導入初期は人事部門と現場の協働が欠かせません。ただし、一度設計すれば、次回以降の採用や他ポジションへの転用が容易になるため、中長期的には投資効果が大きいとも言えます。

面接官がやや機械的な印象を受ける可能性がある

構造化しすぎると、面接が「質問リストの読み上げ」になり、候補者が心を開きにくくなるリスクもあります。質問の枠組みを決めつつも、面接官が相手の反応に応じて臨機応変に掘り下げる「半構造化」が理想です。

半構造化面接の設計手順

【Step1】ターゲットの構造化

ターゲットの構造化とは、「誰が必要か」「何を見るか」「どう測るか」を体系的に設計することを指します。設計方法には大きく二つあります。ひとつは、社内のハイパフォーマーを事例にして要件を抽出する「帰納的アプローチ」、もうひとつは事業戦略や職務内容から必要要件を導き出す「演繹的アプローチ」です。これらを組み合わせて、自社にとってのターゲット人材を明確にしましょう。人物像は単なる要件の羅列ではなく、年齢・経歴・性格などを細かく設定した「ペルソナ」として描くことが重要です。そうすることで採用チーム内の認識が揃い、訴求ポイントも明確になります。

ただし、どこにも存在しない「スーパーマン」を求めるのではなく、変革型や堅実型などタイプ別に人材を捉え、組織全体で必要な構成比を考える「人材ポートフォリオ」の視点も持ちましょう。

さらに、定義した人物像を選考で使える要件に整理する際には、

– 必須要件
– あれば良い要件
– ネガティブ要件
– 不問要件(世間では重視されても自社では問わないもの)

の4つに分類します。教育で育成可能な能力は採用基準から外し、入社時に必要な特性に絞り込みましょう。また、評価基準を設計する際には「コミュニケーション能力」や「地頭」といった抽象的な表現は人による解釈のずれが起こるため避けた方がよいです。

ターゲットの構造化についてさらに詳しく知りたい方はこちら。

【Step 2】評価の構造化

評価の構造化とは、ターゲットに基づき「何をどう評価するか」を明確にし、客観性と再現性を高める仕組みを設計することを指します。

人による評価のブレが少なくなる工夫をする

評価軸は「能力」「意欲」「価値観」の三つに整理することが基本です。例えば課題解決力を見たい場合には、状況把握・思考力・行動力といった要素に分解し、それぞれをどの質問で見極めるかを事前に設計します。ここで重要なのは、評価がブレないようにする仕組みを持つことです。その工夫の一例がルーブリック評価です。ルーブリックとは、評価項目ごとに「どのレベルならどの評価になるか」を言語化した基準表であり、行動事実に基づいて判断できるようにします。これによって評価者によるバラツキや「ハロー効果」「類似性効果」といった心理的バイアスを抑えることができます。

各項目の合計点で合否を出してはいけない

評価シートを用いた人物評価では、各項目ごとの点数を合計した「部分評価の総和」がそのまま総合評価にならないようにしましょう。たとえ合計点が合格ラインを超えていても、あるいは逆に低くても、最終的な判断には人間の思考による補正が必要です。各項目の合計点から合否判断をしないほうがよい4つの理由について解説します。

1.重み付けの無視という問題があります。求める人物像に複数の要素がある場合、それらは同じ価値で数値化できるものではなく、重要度の高い要素には優先度が存在します。しかし単純な足し算では、その重みが反映されません。

2.類似項目の二重評価が起こり得ます。例えば「面倒見の良さ」と「受容性」のように特徴が重なる要素は、一つのエピソードで複数の項目が同時に加点され、結果として過大評価につながります。

3.突出した才能を評価できないという制約があります。ある要素で圧倒的な強みを持つ人材に対して、本来なら大幅なプラス評価を与えるべきですが、点数の上限があるため十分に反映できません。

4.想定外の異能者を評価できない点です。評価シートは事前に設計された人物像しか測定できないため、想定外の強みやユニークさは合計点に反映されず、見落とされてしまいます。

評価シートの合計点はあくまで参考値にすぎず、最終的な判断は人間の洞察によって補正されるべきです。数値化の便利さに頼りすぎず、評価シートで拾えない要素を見極めることで、より妥当で納得感のある総合評価が可能になります。

【Step 3】起点となる質問の構造化

半構造化面接では、まず候補者の経験を深く掘り下げるための「起点」となる質問を準備します。この起点質問は、「義務・苦労・長期・集団」といった、再現性の高い能力を把握しやすい領域にフォーカスすると、より候補者の実力が浮き彫りになります。

特に以下の4つの観点が重要です。

  • “好きでやったこと” より “やらなければならなかったこと(義務)”
  • “うまくいった経験” より “苦労した経験・壁にぶつかった経験”
  • “短期間の取り組み” より “長期間継続した経験”
  • “1人でやった経験” より “集団/チームでの取り組み”

こうした観点を踏まえて、面接の入口として使いやすい起点の質問の例を3つ用意しました。

▼起点質問①:義務領域の深掘りにつながる質問

「学生時代や前職で、“任されていた役割”の中で、最も責任が重かったものを教えてください。」

・好き嫌いではなく「役割」と「義務」に焦点
・成果が平凡でも、取り組み方や役割の重さから行動特性をつかみやすい

▼起点質問②:苦労・試行錯誤が見える質問

「これまでの経験で、最も“うまくいかなかった局面”と、それに向き合ったときの行動を教えてください。」

・成功体験は美化されやすい
・苦労した場面のほうが、思考・行動・工夫が現れやすい

▼起点質問③:長期間 × 集団の経験を引き出す質問

「長期間にわたってチームで取り組んだ経験の中で、あなたが果たした役割と、そこで起きた難しさを教えてください。」

・長期 × 集団 は再現性が高い行動特性がもっとも現れやすい領域
・チーム内の軋轢や役割調整など、協同性・主体性・粘り強さが見えやすい

【Step 4】半構造化面接の鍵となるSTAR+T2の視点と質問例

STAR+T2は、候補者の経験を、思考や試行錯誤のプロセスまで含めて理解するための枠組みであり、面接官ごとの解釈のズレを抑えながら、柔軟な深掘りを可能にします。

Situation(状況)

まずは、状況や環境を絵でイメージできるまで確認します。この状況次第で、課題の難易度や候補者の行動のレベルが変わってきますので、非常に重要な要素です。
・候補者がどのような環境でどのような役割を担っていたのかという「役割」
・成果の大きさを期間や人数などで示した「程度」
・そして何を原動力としてその行動をとったのかという「動機」
上記3要素を中心に、候補者の体験を追体験できるくらい鮮明に聞き出しましょう。

「何人の組織、団体でしたか?」
「その中であなたはどんな役割を担っていましたか?」
「なぜその組織、団体に所属しようとおもったのですか?」

Task(課題)

状況を鮮明に把握できたら、課題を確認します。「課題」と「原因」を混ぜてしまっている方もいますので、鵜呑みにしすぎないよう注意が必要です。これらは図で整理してみると下記のようになります。

「目標」と「課題」と「原因」の違い

「取り組みを始める前はどのような状態でしたか?」
「個人またはチームとして、どのような目標や理想としていた状態を目指していましたか?」
「目標や理想としていた状態を達成するために設定した課題について教えて下さい」

Thinking(思考)

Taskの全容を把握できたら、思考プロセスを深堀りしましょう。まずは課題設定に関する思考力について確認します。次に確認したいことは、原因分析から判断にいたる思考力です。次のActionを対策として考えた背景を探ります。課題の原因をどのように分析し、どのようにあたりをつけたのか。その原因を解消する対策を何から思考したか、複数の対策からなぜそれを選んだのか、などを確認します。


「他に考えられる課題はありませんでしたか。その中で、どのような情報から、その課題を課題として設定しましたか?」
「その課題の原因はどのように考えましたか?また原因に対する対策はいくつ考えましたか?」
「その対策は、1人で考えたアイディアですか?複数で考えたことですか?」
「その施策の中でどういった対策を選びましたか?またそれはなぜですか?」

Action(対策)

可能な限り定量的に、具体的にActionの内容を聞き出しましょう。Action自体が珍しくすごそうに見えても、実際の行動や期間をヒアリングしたら難易度はそれほど高くない場合があります。逆に派手な対策ではないものの『そんなに長い期間やりつづけたの?』ということもあります。対策のインパクトに引っ張られすぎずないように注意しましょう。

「その対策についての期間、頻度、巻き込んだ人などについて具体的に教えて下さい」

Trial&Error(試行錯誤)

Actionの内容を深掘りしていく中で、試行錯誤についても確認していきます。一つの施策で上手くいくケースは稀です。基本的には、試行錯誤しながら課題を解決してきたはずなのです。


「その対策から結果が出るまでの試行錯誤について詳しく教えて下さい」

Result(結果)

最後に、行動の結果を確認します。ここでは単に「優勝した」「売上が上がった」という事実確認だけでは不十分です。STAR+T2面接においては、Resultを「思考の答え合わせ」と「再現性の確認」という2つの目的で活用します。

1. 思考プロセスの「答え合わせ」をする
立てた仮説(Thinking)や対策(Action)が正しかったのかを、結果を通じて検証します。例えば、「対策をやり切ったが、結果は昨年と変わらなかった」という場合、「そもそも課題設定が間違っていたのでは?」という疑問が生じます。逆に、結果が未達でも「狙った数値は改善したが、外部要因で全体目標に届かなかった」のであれば、思考プロセス自体は評価できる可能性があります。 

「その結果が出た一番の要因は、あなたの工夫のどの部分にありますか?」

2. 「再現性」があるか振り返る
一度きりの成功(悪く言えば”マグレ”)ではないかを見極めるため、本人の「振り返り」を確認します。ポテンシャルの高い人材ほど、成功・失敗に関わらず「ここから何を学んだか」「次はどう改善するか」を言語化できている傾向にあります。これは言語化するためには、成功・失敗の構造を自身の行動、環境要因、他者の支援などと因数分解して理解する必要があるためです。そのため、言語化できている人材は、環境が変わっても、今の環境に不足してるものや注げるリソース、自身の力量を正確に判断して行動に移すことができ、再現性が高いことが多いのです。

「もし、もう一度全く同じ状況に取り組むとしたら、どこを変えますか?」

具体的な質問例など、もっと詳しく知りたい方はこちら

半構造化面接の注意点

構造化と柔軟性のバランスを取る

半構造化面接における「構造化」は、あくまで評価の土台です。質問を機械的に読み上げることが目的ではありません。候補者の個性や本音を引き出すためには、柔らかい聞き方や適切なリアクションも重要です。候補者が安心して話せる空気をつくること自体が、事実を引き出すための重要なスキルとなります。また、STAR+T2などのフレームワークを意識しすぎて、すべてを順番通りに聞こうとすると、質問攻めになり、候補者に圧迫感を与えてしまう恐れがあります。会話の流れを大切にしながら、一つのエピソードを自然に深掘りしましょう。

複数面接官でのキャリブレーションを徹底する

半構造化面接を継続的に改善するためには、面接後の振り返りも欠かせません。複数の面接官が関わる場合は、評価を必ず共有し、「なぜその点数をつけたのか」「どの発言・行動を根拠にしたのか」を話し合います。このキャリブレーションを繰り返すことで、評価基準のズレを継続的に修正でき、面接官間の認識も徐々に揃っていきます。結果として、半構造化面接の精度と納得感は、運用を重ねるほど高まっていきます。

半構造化面接で自社の見極め力を向上させよう

半構造化面接は、候補者の個性を引き出しながら評価の再現性を高めるための有効な手法です。構造化された質問設計を「土台」としつつ、柔軟な聞き方や自然なリアクションを組み合わせることで、候補者の本質に迫ることができます。さらに、面接官へのトレーニングや複数面接官によるキャリブレーションなどを積み重ねることで、感覚に頼らない精度の高い面接が可能になり、自社に必要な人材を確実に見極められるようになります。

「面接官のトレーニングまで手が回らない」「評価基準の設計をどうすればいいかわからない」といった方は、人材研究所の採用コンサルティングをご活用ください。

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