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面接の精度について:採用担当者トレーニング①

みなさん、こんにちは。株式会社人材研究所の代表曽和です。今日もよろしくお願いします。

今回は採用担当者のトレーニングのポイントとして2回にわたり、今回は「面接」について、次が「動機付け」について、どういうトレーニングをしたら良いかということのポイントだけをお話ししたいと思います。

トレーニングポイント①面接について

面接の訓練をするということは、別の言い方をすると面接の精度をいかに高めるかということだと思っています。そう考えると、面接の精度というのはどのように下がっていくのか、その裏を考えれば良い訳です。その原因は3つあります。

1つ目は「インタビュー」。つまりは情報が聞けていない、判断するために必要な情報が聞けていない、この段階で面接の精度が下がるということが一つあります。
2つ目は何かというとこれが実は一番難しいんですけれども、集めた情報から「この人はこういう人だ」というアセスメント、つまり「見立て」これが外れているというところが精度が下がるポイントです。

3つ目は何かというと「採用基準」つまり、ジャッジする人が採用・評価の基準を正しく理解していない。こういう人は採るのか、採らないのか、どういう人を求めているのかという、会社におけるどんな人物像がハイパフォーマーなのかということがわかっていない。

この3つが面接の精度を下げるポイントです。そのため、トレーニングは、この3つを鍛えるということになります。

面接の精度をあげる「インタビュー」について

まず、1つ目のインタビューについては、細かく言うとものすごくたくさんありますが、今回このブログでは端的に一番重要なことを言わせていただきます。これが何かというと、とにかくファクトベースであること、とにかく事実を聞くということがポイントです。色々な面接に同席させていただくと、多くの面接官というのは思っていることを聞いているんですね。例えば「あなたはこの事象についてどう思いますか?」など、思ってることを聞くことが多い訳です。私はこれを「どう思っているのか面接」などと表現したりしていますが、その他にも「この会社に入ってどんなことがやりたいですか」「5年後10年後どのようになっていきたいですか」「あなたの強み弱みは何ですか」というようなことも、思っていることと言えます。
それに対して、あなたは「これまでどんなことをしてきたのか」、「学生時代や前の職場でどんなプロジェクトをやってきたのか」など、それを聞くことが大切です。事実=過去のエピソードについてディテールを含めて聞いていくことがポイントになります。これが一つ目のインタビューに対するトレーニングのポイントです。

このトレーニングをどうやるかということについては、繰り返しやるしかないんです。しつこくするというのがポイントですね。というのは、日本人のコミュニケーション能力は、以心伝心とか、一を聞いて十を知る、肝胆相照らす(仲)、空気を読むなど、要するに相手が言ってないことを察してこうじゃないかと考えることがポイントになっていたりしている訳です。
しかしながら、それでは面接はダメなのです。面接は相手が言ってないことというのは、こちらが聞いていないということ、だから相手にきちんと言ってもらわないといけない訳です。
例えば、「わたしはカフェでバイトしていました」という時に、みなさんの頭に浮かぶのはいろいろなカフェな訳です。それが、スターバックスなのか、個人経営なのか、都会にあるのか学生街にあるのか、そういうことを相手は全然言っていない訳です。だとすると、面接ではちゃんと裏を取るために事実を相手に聞かないといけません。しつこく2~3回は聞かないといけないかもしれません。

面接官 「アルバイトは何をしていましたか?」
学 生 「飲食店です」
面接官 「飲食店って何ですか?」
学 生 「カフェです。某外資系のコーヒーチェーン店です」
面接官 「某外資系のコーヒーチェーン店はどこですか?」
学 生 「スターバックスです」

というような感じです。「飲食店」というキーワードはとても抽象度が高い訳なので、これぐらいまで何度も聞かないと事実はわからない。そして事実を聞かないと結局それらの難易度がわからない訳です。ですから、「しつこく事実を聞く」ということがインタビューのポイントの基本になりますので、覚えておいてください。

面接の精度をあげる「アセスメント」について

2つ目のアセスメントは「人を表現する言葉を豊富にもつ」ということが、トレーニングのポイントです。基本的に人を表現する言葉を、私は「アセスメントワード」と言ったりしています。「ストレス耐性」、「地頭がいい」、「達成欲が高い」、「好奇心がある」と言った、たくさん人を表現する言葉があり、多くの面接担当者の方が、それらを評定票などに記入していきます。
今言ったような言葉を私はビッグワードと言っていますけれども、これらは定義があいまいで多義的すぎる訳です。「コミュニケーション能力」という言葉を経団連の方が、「20数年間連続、企業が求める能力はコミュニケーション能力が1位です!」と発表していたりする訳ですが、それは当たり前のことだと思っています。それはなぜかというと、コミュニケーション能力というのはとても多義的で、色々な人がいろいろなコミュニケーション能力の定義をしていて、そういう能力が必要だと言っているから1位な訳です。つまりコミュニケーション能力が何なのか、なんだかよく分からないという状態になります。これが面接の基準をアセスメントする時には、それではダメですね。結局人間は、語彙の細かさで見るものの解像度が変わってきます。例えば、青色という言葉しか知らなければ、群青色もライトブルーもスカイブルーも全部同じ青色になってしまうということです。これは人間を見るときも同じで、コミュニケーション能力と言ってしまうと、例えば論理的に筋道を立ててわかりやすく物事を話すというのもコミュニケーション能力だし、空気を読んで相手が言っていないことを察して理解するのもコミュニケーション能力です。けれども、これらのコミュニケーション能力の意味は全然違う訳です。

要するにこのようなことが、アセスメントの混乱を呼ぶ原因です。ですので、アセスメントのトレーニングというのは取りも直さず、人を表現する言葉アセスメントワードを正しく理解すること、会社の中ですり合わせる、例えば、うちの会社で表現するコミュニケーション能力とはどういう定義なのかということを社内で擦り合わせる、これがアセスメントの段階、見立ての段階のトレーニングのポイントという訳です。

面接の精度をあげる「ジャッジ基準」について

最後のジャッジ基準というのはどちらかというと、面接担当者の方々がトレーニングをするというよりも、人事担当者・面接担当者のトレーニングする側がきちんと定義して、それを担当者に正しく伝える、これに尽きます。その定義をする時に、先ほどの「アセスメントワード」はもちろんきちんと定義すること。あまりたくさんの基準があって多すぎると、あれもこれもと面接官というのも短い時間でジャッジができないので、「must条件はこれです」、「want条件はこれです」、という風に分けておくということ、求める人物像を設計することが肝になってきます。ですので、ここはトレーニングというよりは、人事部の方で面接官をトレーニングする側のトレーニングが大事になってきます。こちらについてはまた別途ご説明したいと思っています。

本日は「面接の精度を高めるためのトレーニングをどうしたらいいか」についてお話ししました。

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